ある日、いつも使っていたモデルが選べなくなっていた。あるいは、API を呼んだらモデルが見つからないというエラーが返ってきた。ChatGPT や Codex を仕事に組み込んでいる人なら、こうした場面に備えておきたいところです。
結論から言うと、OpenAI のモデル非推奨化には公式に書かれた決まりがあり、終了日も公開されています。2026年10月8日時点では、ChatGPT と Codex の GPT-5.5 が2026年10月14日に終了予定で、API では gpt-4-0613 などの旧スナップショットが2026年10月23日に終了予定です。日付と置き換え先を知っていれば、慌てずに動けます。
この記事の「戦略」は、OpenAI 側の意図を推測する話ではありません。公式ページに書かれている通知期間・終了日・置き換え先を読み取り、利用者が自分の環境を守るために何をいつやるかを手順にしたものです。
- 非推奨化と提供終了は何が違うのか
- 公式は何か月前に知らせると書いているのか
- いま予定されている終了日はいつか
- ChatGPT・Codex と API で、何を確認すればよいのか
- 棚卸しから切り替え、検証までをどう進めるか

モデルの終了日は、公式の一覧で確認できます。まずは自分が使っているモデルの名前を書き出すところから始めてみてください。
この記事でわかること
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- 非推奨化(deprecation)と提供終了(shutdown)の公式な使い分け
- 通知期間の最低ラインと、過去の実例から見た実際の長さ
- 2026年10月時点で予定されている主な提供終了と置き換え先
- GPT-5.5 の提供終了で、ChatGPT・Codex の利用者が確認する場所
- 棚卸し、切り替え、回帰テストまでの具体的な手順
- 非推奨化の情報を見逃さないための確認ルート
モデルの非推奨化とは何か|提供終了・レガシーとの違い
モデルの非推奨化とは、OpenAI がそのモデルや機能を段階的に退役させると決め、置き換え先と終了日を公表することです。
OpenAI の Deprecations ページは、用語を3つに分けて説明しています。ここを押さえると、ニュースの見出しを読んだときに「いま何が起きているのか」を取り違えにくくなります。
非推奨(deprecation)はプロセスの名前
公式ページによると、モデルやエンドポイントの非推奨化を発表した時点で、それは直ちに「非推奨」の扱いになります。同時に、非推奨のモデルには終了日(shut down date)が設定され、その日を過ぎるとアクセスできなくなります。つまり「非推奨になった日にすぐ使えなくなる」のではなく、「終了日が決まり、そこへ向かう期間が始まる」と読むのが正確です。
sunset と shut down は同じ意味
同じページには、sunset と shut down は同じ意味で使うと書かれています。どちらも、モデルやエンドポイントにもうアクセスできない状態を指します。英語の記事や変更履歴で sunset と書かれていても、提供終了と同じものとして読んで構いません。
レガシー(legacy)は更新が止まった状態
レガシーは、更新を受けなくなったモデルやエンドポイントに付く表示です。公式ページは、開発者に対して「プラットフォームがどこへ向かっているか」を知らせる目印であり、将来のどこかで非推奨になると予想しておくとよい、と説明しています。レガシー表示は終了日そのものではありませんが、移行先を探し始める合図として使えます。
| 用語 | 公式ページでの位置づけ | 読者が取る行動 |
|---|---|---|
| レガシー(legacy) | 更新が止まったモデル・エンドポイントの目印 | 新しいモデルの検討を始める |
| 非推奨(deprecation) | 退役のプロセス。発表の時点で非推奨になり、終了日が付く | 終了日と置き換え先を確認し、移行計画を作る |
| 提供終了(shut down / sunset) | 終了日を過ぎ、モデルにアクセスできなくなる | この日までに旧モデルの指定を残さない |
公式が示す通知期間と、実際の通知から終了までの長さ
通知期間とは、OpenAI がモデルの退役を告げてから実際に終了するまでに、利用者へ与える移行の猶予のことです。
Deprecations ページ(Markdown 版)には、安全性やコンプライアンス上の懸念で前倒しが必要な場合を除き、次の最低期間を設けると書かれています。API で対象モデルを実際に使っている顧客には、メールでも知らせると明記されています。
| モデルの区分 | 公式に書かれた最低通知期間 | 公式が挙げる例 |
|---|---|---|
| 一般提供(GA)のモデル | 6か月以上 | 公式ページでは区分のみ記載 |
| 一般提供モデルの派生版 | 3か月以上 | gpt-5.1-chat-latest、gpt-5.3-codex、o3-deep-research |
| プレビューのモデル | 2週間程度まで短くなることがある | computer-use-preview、gpt-4o-audio-preview |
公式ページでは、プレビューのモデルを事業の中核になる本番用途に使うことは勧めない、と説明されています。名前に preview が付くモデルは、短い猶予で移行できる体制がある場合に限って使う、という整理になります。
過去の実例で、通知から終了までを数える
最低期間はあくまで下限です。同じ公式ページ(Markdown 版)に載っている実例の日付を並べると、実際の長さにはばらつきがあることがわかります。下の表は、ページ上の発表日(通知日)と終了日をそのまま並べ、期間は筆者が日付から数えたものです。
| 対象(公式ページの記載) | 発表日 | 終了日 | おおよその期間 |
|---|---|---|---|
| gpt-4.5-preview | 2025年4月14日 | 2025年7月14日 | 約3か月 |
| codex-mini-latest | 2025年11月17日 | 2026年2月12日 | 約3か月 |
| chatgpt-4o-latest | 2025年11月18日 | 2026年2月17日 | 約3か月 |
| gpt-5-2025-08-07、o3-2025-04-16 など | 2026年6月11日 | 2026年12月11日 | 約6か月 |
| gpt-5.4-cyber | 2026年9月11日 | 2026年10月1日 | 約3週間 |
| gpt-5.3-codex、gpt-5.1、gpt-5.4-nano | 2026年10月1日 | 2027年4月1日 | 約6か月 |
派生版や特殊なモデルでは3か月前後の例が目立ち、一般提供のスナップショットでは約6か月の例があります。gpt-5.4-cyber のように、掲載日から終了日までが約3週間の例もあります。通知期間は一律ではないと考え、発表を見た日に終了日を確認する習慣にしておくと安全です。
2026年10月時点で予定されている主な提供終了
提供終了の予定表とは、公式の Deprecations ページに載っている「終了日・対象・推奨される置き換え先」をまとめた一覧のことです。
以下は2026年10月8日に確認した、API の Deprecations ページの記載です。置き換え先は公式が推奨するモデルで、対象モデルは一部のみを抜粋しています。掲載は随時更新されるため、実際の移行前には最新の公式ページを開き直してください。
| 終了日 | 対象(抜粋) | 公式の推奨する置き換え先 |
|---|---|---|
| 2026年10月23日 | gpt-3.5-turbo-0125、gpt-4-0613、gpt-4-turbo、gpt-4o-2024-05-13、o1、o3-mini、o4-mini、gpt-image-1 | gpt-5.6-terra、gpt-5.6-sol、gpt-5.6-luna(旧モデルごとに指定)、画像は gpt-image-2.5-sunburst または gpt-image-2.5-flare |
| 2026年12月1日 | gpt-image-1-mini、gpt-image-1.5、chatgpt-image-latest | gpt-image-2.5-sunburst または gpt-image-2.5-flare |
| 2026年12月11日 | gpt-5-2025-08-07、gpt-5-mini-2025-08-07、gpt-5-nano-2025-08-07、gpt-5-pro-2025-10-06、o3-2025-04-16、o3-pro-2025-06-10 | gpt-5.6-sol、gpt-5.6-terra、gpt-5.6-luna(Pro 系は gpt-5.6-sol の reasoning.mode: pro) |
| 2027年1月6日 | tts-1、tts-1-hd、gpt-4o-mini-tts の2つのスナップショット | gpt-realtime-2.1-mini |
| 2027年1月20日 | gpt-realtime、gpt-audio、gpt-4o-audio、gpt-4o-realtime などの音声・リアルタイム系 | gpt-realtime-2.1、gpt-realtime-2.1-mini、gpt-audio-1.5 |
| 2027年2月26日 | whisper-1、gpt-4o-transcribe、gpt-4o-mini-transcribe、gpt-4o-transcribe-diarize | gpt-live-transcribe または gpt-transcribe |
| 2027年4月1日 | gpt-5.3-codex、gpt-5.4-nano、gpt-5.1 | gpt-6-sol、gpt-6-luna |
この表から読み取れるのは、2つのことです。ひとつは、文章生成だけでなく、画像・音声・文字起こしのモデルも別々の日程で終了していくこと。もうひとつは、終了日が1つの日に集中せず、10月から翌年4月まで段階的に並んでいることです。API を使っているなら、一度の移行で終わらせようとせず、日程ごとに担当を決める方が現実的です。
モデル以外の機能も終了の対象になる
同じ公式ページには、モデルではない機能の終了予定も載っています。Evals プラットフォームと Agent Builder、reusable prompts(v1/prompts API)は、2026年11月30日に終了予定と記載されています。なお、Evals の既存データは2026年10月31日に読み取り専用になる予定です。モデルの一覧だけでなく、使っている機能そのものが対象になっていないかも、棚卸しの項目に入れておくと見落としを減らせます。
ChatGPT・Codexの提供終了|GPT-5.5の例
ChatGPT・Codex 側の提供終了とは、API とは別に、アプリ上のモデル選択肢から特定のモデルが外れることを指します。
OpenAI の Models ページによると、2026年10月14日に GPT-5.5 が ChatGPT、ChatGPT Work、Codex から終了します。対象は個人向けのプランに加えて Business、Enterprise、Edu を含むすべてのプランで、この終了は OpenAI API には適用されないと書かれています。
Codex を ChatGPT のサインインで使っている場合
公式ページでは、10月14日より前に使える置き換え先を選ぶよう案内しています。Plus、Pro、Business、Enterprise、Edu のプランでは GPT-6 Sol(gpt-6-sol)、Free と Go のプランではデスクトップアプリの GPT-6 Luna(gpt-6-luna)が、利用できる場合の選択肢として挙げられています。どちらも「利用できる場合」という条件付きで、提供状況はロールアウトやサインイン方法、クライアントによって変わると書かれています。
gpt-5.5 の指定を探す場所
公式ページは、gpt-5.5 を置き換える場所として、ワークスペースの既定値、保存したモデル設定、管理者が配る構成、カスタムエージェント、スケジュールタスク、モデルを選ぶスクリプトを挙げています。管理者向けの手順はワークスペースのモデル提供状況のページにまとまっています。個人で使っている場合も、自分の設定ファイルや定期実行の指定に gpt-5.5 が残っていないかを一度見ておきましょう。
クレジットの消費は置き換え先で変わる
ChatGPT のクレジット制プランでは、モデルごとに100万トークン当たりのクレジット消費が決まっています。下の数字は、公式の料金ページに載っている Standard 速度のレートで、2026年10月8日に確認したものです。API キーでの利用料金はこれとは別で、API の料金ページに従います。
| モデル(100万トークン当たり) | 入力 | キャッシュ入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
| GPT-5.5 | 125 クレジット | 12.5 クレジット | 750 クレジット |
| GPT-6 Sol | 50 クレジット | 5 クレジット | 250 クレジット |
| GPT-6.1 Sol | 50 クレジット | 2.5 クレジット | 250 クレジット |
| GPT-6 Luna | 2.5 クレジット | 0.25 クレジット | 12.5 クレジット |
数字だけを見ると、GPT-5.5 より置き換え先のレートは小さく掲載されています。ただし、料金ページ自体が「クレジット価格だけでは、サブスクリプションに含まれる利用量は決まらない」と書いているため、実際の消費は自分の利用量ダッシュボードで確かめる必要があります。各モデルの特徴は、当サイトのGPT-6.1 Solとは|特徴・API料金・Astraとの使い分けとGPT-6 Lunaとは|仕様・API料金と向いている作業の見分け方で整理しています。GPT-5.5 の後継選びだけを深掘りしたい場合は、GPT-5.5の提供終了と後継モデル比較|GPT-6・GPT-5.6の料金と選び方が参考になります。
ChatGPTアプリとAPIで、影響の出方が違う理由
アプリと API の違いとは、モデルを人が画面で選ぶか、プログラムがモデルIDを指定して呼び出すかによる、影響の受け方の差です。
Models ページにある GPT-5.5 の例が示すとおり、同じモデルでも、ChatGPT や Codex では終了するのに API では引き続き使える、という状況が起こります。逆に、API で終了するモデルが、アプリ側では別の扱いになることもあります。どの窓口で使っているかによって、見るべき公式ページが変わります。
| 使い方 | 見るべき公式ページ | 影響を受ける設定の例 |
|---|---|---|
| ChatGPT・Work のアプリで選ぶ | Models ページ、料金ページ | モデルの選択、保存した既定の設定 |
| Codex を ChatGPT のサインインで使う | Models ページ | 設定ファイル、スケジュールタスク、カスタムエージェント |
| API キーでプログラムから呼ぶ | Deprecations ページ | コード内・環境変数のモデルID、ファインチューニング済みモデル |
| 組織の管理者として配布する | ワークスペースのモデル提供状況 | ワークスペースの既定値、管理構成 |
アプリだけの人も確認は1か所ある
チャットで質問するだけの使い方でも、メモとして残した設定やカスタム指示の中で、特定のモデル名を前提にしている場合は見直しが必要です。モデル名を書いていないなら、アプリ側の選択肢が変わるのを待つだけで済みます。
API の利用者は終了日がそのまま締め切りになる
API ではモデルIDを文字列で指定して呼び出すため、終了日を過ぎると、その指定は動かなくなります。公式ページでも、終了日の時点でモデルやエンドポイントにアクセスできなくなる、と書かれています。ここは交渉余地のない締め切りとして扱い、日程を逆算して計画を立てます。
終了後も使いたいときの窓口
公式ページには、場合によっては終了日以降も専用の処理能力(dedicated capacity)を用意できる可能性がある、と書かれています。検討するときは、公式ページに案内されている OpenAI の営業窓口へ相談する形になります。一般の利用者が自分で延長する手続きがあるとは書かれていないため、基本は期限内の移行を前提にします。
非推奨化に備える手順|棚卸しから切り替えまで
移行手順とは、使っているモデルを洗い出し、終了日と置き換え先を並べて、順番に切り替えて確かめる一連の作業のことです。
手順は大きく5つに分けられます。順番を飛ばすと、切り替えた後に「どこかで古い指定が残っていた」という事態が起こりやすくなります。
手順1|モデルの指定を洗い出す
コード、設定ファイル、環境変数、自動化ツールの設定、定期実行のジョブ、プロンプト管理ツールを順に探し、モデル名の文字列を検索します。gpt-、o1、o3、o4 など、自社で使っている系統名で検索するとまとめて拾えます。見つけたものは、場所、用途、担当者を付けて一覧にします。
手順2|終了日と置き換え先を並べる
一覧の各行に、公式の Deprecations ページまたは Models ページから、終了日と推奨される置き換え先を書き写します。公式が置き換え先を複数挙げている場合(例えば画像モデルの2種類)は、用途に合う方を選ぶ理由もメモします。次の表は、この作業の仮の例です。
| 仮の例:場所 | 現在の指定 | 終了日(公式) | 公式の推奨する置き換え先 |
|---|---|---|---|
| 議事録を要約する社内スクリプト | gpt-4o-2024-05-13 | 2026年10月23日 | gpt-5.6-sol |
| 問い合わせ内容を分類する夜間バッチ | o4-mini | 2026年10月23日 | gpt-5.6-terra |
| バナー画像を作る自動化 | gpt-image-1.5 | 2026年12月1日 | gpt-image-2.5-sunburst または gpt-image-2.5-flare |
| Codex の既定モデル設定 | gpt-5.5 | 2026年10月14日(ChatGPT・Codex) | GPT-6 Sol または GPT-6 Luna(プランにより異なる) |
手順3|終了日が近い順に優先度を付ける
終了日が近いものから順に並べ替え、10月14日、10月23日、12月1日、12月11日のように、日付ごとに担当を割り当てます。仮の例の表では、Codex の既定設定が最初、次に10月23日のスクリプトとバッチ、最後に画像の自動化という順になります。
手順4|設定を1か所にまとめる
モデルIDをコードの中へ直接書いている場合は、設定ファイルか環境変数に移します。次に終了のお知らせが来たとき、変更箇所が1つで済み、検索の手間も減ります。Codex の設定を整理したい場合は、Codex CLIのconfig.toml完全ガイド|設定の優先順位と書き方が役立ちます。
手順5|切り替えて、結果を比べる
置き換え先のモデルに切り替えたら、手順の後半で説明する回帰テストで結果を確かめ、問題がなければ本番へ反映します。公式が推奨する置き換え先でも、出力がまったく同じになるとは書かれていません。自分の入力で確かめるところまでが、移行の作業です。
日付入りの名前と「latest」名の扱い方
日付入りの名前とは、gpt-5-2025-08-07 のようにリリース日が付いたモデルIDで、特定の版を指して呼び出すための名前です。
公式の Deprecations ページを眺めると、終了の対象には日付入りのスナップショットだけでなく、名前に latest が付いたものも並んでいます。chatgpt-4o-latest、codex-mini-latest、gpt-5.2-chat-latest、gpt-5.3-chat-latest、chatgpt-image-latest がその例です。latest が付いていても、永続的に使える名前ではないことがわかります。
固定した名前を使う場合の考え方
日付付きの名前を指定すると、どの版を呼び出しているかがはっきりします。結果を後から再現したい用途や、検証のたびに条件を揃えたい用途では、この点が助けになります。反対に、その版の終了日が来たら指定を直す必要があるため、終了日を一覧で追う管理が欠かせません。
latest などの総称名を使う場合の考え方
日付が付かない名前や latest の名前は、呼び出すたびに指す先が見直される可能性を前提に使うものです。どの版を指すかは、各モデルの公式ページで確認します。ここに書かれていない挙動を前提にしないことと、重要な処理では出力の変化を定期的に点検することが、使うときの条件です。
| 観点 | 日付入りの名前 | latest などの名前 |
|---|---|---|
| 呼び出す版の分かりやすさ | 高い。版が名前に出る | 公式ページで確認が必要 |
| 終了の扱い | 版ごとに終了日が付く | 名前自体にも終了日が付いた例がある |
| 向いている場面 | 条件を揃えて検証したい処理 | 新しい版に追従したい試用の場面 |
| 管理のコツ | 終了日を一覧に書き写す | 出力の変化を定期的に確かめる |
この整理は、公式ページの記載を踏まえた設計上の考え方です。どちらの名前を使うかは、用途と、変化への許容度で決まります。
個人・中小事業者がとるべき実践ステップ
実践ステップとは、専任の担当者がいなくても、1人または少人数で非推奨化に対応するために最低限そろえる行動のことです。
大きな組織のように専任チームを置けなくても、順番さえ決めておけば、負担は大きくなりません。使い方別に、やることを分けて考えます。
ChatGPT のアプリだけを使っている人
モデル名を指定して保存している設定があるかを確認します。たとえば、特定のモデルを前提にしたカスタム指示や、定期タスクの指定が残っていれば、置き換え先に書き換えます。何もなければ、新しい選択肢が表示されるのを確認する程度で十分です。
自動化ツールや外部サービス経由で使っている人
自動化ツールの設定画面に、モデル名を選ぶ項目がないかを確認します。ツール側がモデル名を固定して持っている場合は、ツールの提供元が対応するまで待つ必要があることもあります。提供元の更新情報も、確認先に加えておきます。

岡田颯太
利用しているモデルを一覧にして、設定を1か所にまとめる。地味な仕組みですが、これだけで終了のお知らせに落ち着いて対応できるようになります。
API を自分で使っている人
この記事の手順1から5をそのまま進めます。特に、前の見出しで触れた日付入りの名前を使っている場合は、終了日を一覧に書き写すことが最初の作業です。ファインチューニング済みのモデルを使っているなら、その土台になるモデルの終了日も確認してください。
1人で運用するときの月次の確認
月に1回、Deprecations ページと Models ページを開き、自分の一覧にあるモデルの名前が載っていないかを見ます。載っていれば終了日を書き足し、載っていなければ次の月に回します。カレンダーに定期予定として入れておくと、忘れずに続けられます。
移行後の検証と、切り替えの進め方
回帰テストとは、移行の前後で同じ入力を流し、出力の品質や形式が変わっていないかを比べる検証のことです。
公式の Models ページには、推論の強さ(reasoning effort)の設定は、モデルの世代間で正確には対応しない、と書かれています。慣れたタスクを低めの設定で試し、結果を見て調整するよう案内されています。つまり、旧モデルの設定をそのまま新モデルへ持ち込むだけでは、品質も速度も同じとは限りません。
テストケースを少数そろえる
普段の業務でよく使う入力を、数件から十数件選びます。代表的な成功例だけでなく、以前うまくいかなかった入力も混ぜておくと、変化に気づきやすくなります。判定の基準は、事前に「形式が崩れないこと」「必要な項目が漏れないこと」のように書き出しておきます。
仮の例:議事録要約スクリプトを移行する場合
手順2の表にあった議事録要約スクリプトを例にします。まず、過去の議事録から数件を選び、旧モデルでの出力を保存しておきます。次に、設定ファイル上のモデルIDだけを置き換え先に変え、同じ議事録で出力を取り直します。見出しの有無、箇条書きの形式、要約の長さ、固有名詞の取りこぼしを横に並べて確認し、問題がなければ本番の設定を切り替えます。
段階的に切り替えて、戻せる状態を保つ
全ての処理を一度に切り替えるのではなく、影響の小さい処理から順に置き換えます。旧モデルがまだ使える期間は、設定を戻すだけで元に戻せる状態を保てます。終了日を過ぎると戻せなくなるため、遅くとも終了日の前に、新しい設定で問題なく動いている確認を終えておきます。
利用状況の記録を残す
どのモデルを、どの処理でどれだけ呼んでいるかを記録しておくと、次の非推奨化の影響範囲を短時間で把握できます。エラーの件数と応答時間も合わせて残しておくと、切り替え後に変化が出たときの原因を探しやすくなります。
非推奨化の情報を見逃さない方法
情報の確認ルートとは、モデルの終了予定を知るために定期的に見る、公式ページと通知の組み合わせのことです。
公式ページによると、影響を受ける顧客には常にメールと公式ドキュメントで知らせ、大きな変更はブログ記事でも知らせるとされています。つまり、通知は複数の経路で届く設計ですが、メールだけに頼ると、迷惑メールの振り分けや担当者の異動で届かなくなることがあります。
| 確認ルート | わかること | 確認の頻度の目安 |
|---|---|---|
| Deprecations ページ | API の終了日と置き換え先の一覧 | 月1回と、発表を見たとき |
| Models ページ | ChatGPT・Codex のモデル構成と終了予告 | 月1回と、使うプランが変わったとき |
| 登録メール | 利用中のモデルに関する通知 | 連絡先を最新に保つ |
| 自分のエラーログ | モデルが見つからないなどの実際の失敗 | アラートで常時監視 |
連絡先を複数人にしておく
通知メールの宛先が1人の個人アドレスだけだと、その人が席を外した途端に見落とされます。チームで共有できるアドレスを使うか、複数人が受け取る構成にしておきます。
エラーログを最後の砦にする
お知らせを見逃した場合でも、本番で呼び出しが失敗すればエラーログに記録が残ります。モデルが見つからない旨のエラーを検知してアラートを出す設定を入れておくと、利用者に影響が広がる前に気づけます。ただし、これは終了後の検知にすぎないため、事前の確認と組み合わせて使います。
よくある質問(FAQ)
- Q1. モデルが非推奨になったら、その日から使えなくなりますか?
- 公式ページでは、発表の時点で非推奨の扱いになる一方、アクセスできなくなるのは終了日と書かれています。非推奨の発表は終了日が決まった合図であり、終了日までの間に移行を進める余地があります。
- Q2. GPT-5.5 が終了すると、API でも使えなくなりますか?
- Models ページによると、2026年10月14日の GPT-5.5 の終了は ChatGPT、ChatGPT Work、Codex が対象で、OpenAI API には適用されないとされています。API 側のモデルの終了は、Deprecations ページで別に確認します。
- Q3. 通知期間は、いつも6か月ありますか?
- 公式が示す最低期間は、一般提供のモデルで6か月以上、派生版で3か月以上、プレビューは2週間程度まで短くなることがあります。安全性などの理由で前倒しになる場合もあり、実例でも3週間の掲載があるため、期間は一律ではありません。
- Q4. 推奨される置き換え先に変えれば、出力は同じになりますか?
- 公式ページにそのような記載はありません。置き換え先は推奨モデルですが、出力の文体や形式、速度は変わる可能性があります。自分の入力で回帰テストを行い、結果を確かめてから切り替えてください。
- Q5. ファインチューニング済みのモデルはどうなりますか?
- Deprecations ページによると、ファインチューニング済みモデルへの推論は、土台のモデルが非推奨になるまで利用できるとされています。2026年10月23日には ft-gpt-4 などの一部も終了予定で、新規のファインチューニングジョブの作成にも段階的な制限があります。使っている土台モデルと対象日を、公式ページの表で照らし合わせてください。
- Q6. 終了後も同じモデルを使い続ける方法はありますか?
- 公式ページには、場合によっては専用の処理能力を用意できる可能性があり、OpenAI の営業窓口へ相談する形になる、と書かれています。一般の設定画面から延長できる手続きの記載はないため、基本は期限内の移行を前提にします。
- Q7. 非推奨化の対象は、モデルだけですか?
- いいえ。公式ページには、Evals プラットフォームや Agent Builder、reusable prompts のように、モデル以外の機能が終了する予定も載っています。使っている機能ごとに、終了予定がないか確認してください。
まとめ|非推奨化は前提として設計に入れる
OpenAI のモデル非推奨化は、公式ページに決まりが書かれた、予告つきの仕組みです。発表の時点で非推奨になり、終了日が付き、置き換え先が示されます。通知期間は区分ごとの最低ラインがあるものの、実例では約3週間から約6か月までばらつきがあります。
2026年10月時点で、直近の動きは3つあります。10月14日の GPT-5.5(ChatGPT・Codex)、10月23日の旧スナップショット、12月以降の画像・音声・文字起こしのモデルです。まず使っているモデルを洗い出し、終了日と置き換え先を並べ、設定を1か所にまとめます。そのうえで、回帰テストで確かめながら、日付の近いものから切り替えていきます。
日付や置き換え先は更新されるため、この記事の表は2026年10月8日時点の確認結果として読み、移行の直前に公式ページを開き直してください。OpenAI の判断の理由を推測する必要はありません。公式が書いた日付を、自分の一覧に書き写し、守る。それが、いちばん手堅い備えです。
※本記事は2026年10月8日時点の OpenAI 公式ページ(Deprecations、Models、料金)をもとにしています。日付・料金・仕様は変更される場合があるため、最新情報は公式ページでご確認ください。
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