ChatGPTのプロジェクトの使い方は、サイドバーの「New project」を選び、名前とアイコンと色を決めて作成し、参考ファイルとプロジェクト指示を追加したうえで、関係するチャットを移すかプロジェクトの中で新しく始める、という流れです。プロジェクトは、関連するチャット・ファイル・指示を1か所にまとめ、ChatGPTが同じ文脈を使い続けられるようにする機能で、ログインしたChatGPTユーザーが、プランとワークスペース設定の範囲内で使えます(OpenAI Help Center「Projects in ChatGPT」2026年10月18日確認)。
実際に迷いやすいのは、手順そのものよりも、プランごとのファイル数、プロジェクト指示とカスタム指示の優先関係、チャット移動の例外、メモリ設定、共有時の権限、GPTsとの違い、削除の影響といった判断の部分です。この記事では、作成から削除までを順に進めながら、各場面で何を選ぶかを整理します。
なお、ここで扱うのはChatGPTのプロジェクトです。Codexのデスクトップアプリにある「ローカルプロジェクト」は、パソコン上のフォルダを読み書きする別の仕組みなので、そちらはOpenAI Codexの使い方を解説した記事で扱っています。ChatGPT自体の基本操作から確認したい場合は、ChatGPTの使い方をまとめた記事を先に読むと前提がそろいます。
ChatGPTのプロジェクトとは何か|通常のチャットとの違い
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ChatGPTのプロジェクトとは、ひとつの継続的な作業に関係するチャット・アップロードしたファイル・その場所だけに効く指示文を1か所にまとめ、ChatGPTが同じ文脈を使って回答できるようにするワークスペースです。
OpenAI Help Centerは、プロジェクトの利点として、関連するチャット・ファイル・指示を同じ場所に置いてChatGPTが同じ文脈を使えること、ある端末で始めて別の端末で続けられること、週次のリサーチや下書きのような繰り返しの作業に再利用できることを挙げています。通常のチャットは1回ごとの会話が独立しているため、前回決めた表記ルールや参照資料を貼り直す場面が出ますが、プロジェクトではその置き場が固定されます。
プロジェクトの中身は、次の3つで構成されます。役割を分けて理解しておくと、後の設計で迷いにくくなります。
- チャット:そのテーマで交わしたやり取り。プロジェクトの中で始めたものも、あとから移したものも同じ場所に並びます
- ソース(ファイル):参照させたい資料。アップロードした文書や貼り付けたテキストのほか、対応アプリのリンクや保存した回答も入ります
- プロジェクト指示:そのプロジェクトの中でだけ効く指示文。口調・出力形式・前提条件を固定する役割を持ちます
OpenAIのChatGPTドキュメント「Projects and chats」には、Web版の説明として、プロジェクトには「Chats」の欄と、アップロードしたファイルや接続した情報の「Sources」の欄があること、ChatGPTのプロジェクトはパソコン上のフォルダへ直接アクセスする仕組みではないため、使わせたい資料はアップロードするか接続して渡す必要があることが書かれています。フォルダを直接読み書きさせたい作業は、プロジェクトではなくCodex側の領域です。
通常のチャットに留めるか、プロジェクトを作るかの判断は、同じドキュメントの考え方が目安になります。作業が続く、成果物が複数になる、同じファイルや資料に何度も戻る、のいずれかに当てはまるならプロジェクトが向き、単発で完結する質問ならプロジェクトなしのチャットで足ります。作業が育ってきたあとから、チャットをプロジェクトへ移すこともできます。
プロジェクトを作る手順|名前・アイコン・色を決める
プロジェクトの作成とは、サイドバーから新しいワークスペースを追加し、名前とアイコンと色を決めて、そのテーマ専用の置き場をつくる操作です。
作成は短い手順で終わります。OpenAI Help Centerの「Create a project」は、次の2つの操作を示しています。
- サイドバーで「New project」を選ぶ
- プロジェクト名を入力し、アイコンと色を選ぶ
作成後に最初にやることは、資料を入れる前に、このプロジェクトで何を出力として仕上げたいのかを決めることです。仮の例として、社内向けのサービス紹介資料を作り続けるなら「サービス紹介資料(改訂版)」のように、対象物と状態がわかる名前にします。似たプロジェクトが増えても取り違えにくく、アイコンと色も「社外提出物は青、社内資料は緑」のように用途で決めておくと、サイドバーを見た瞬間に目的の場所へ入れます。
メモリの設定はプロジェクトの作成時に選べ、あとから変更もできます。どちらを選ぶかの判断は、メモリ設定の節で扱います。
資料ファイルを追加してChatGPTに参照させる手順
プロジェクトへのファイル追加とは、回答の土台にしたい資料をソースとして登録し、そのプロジェクト内のチャットから参照できる状態にする操作です。
OpenAI Help Centerは、PDF・スプレッドシート・ドキュメント・画像をアップロードするか、テキストを貼り付けることで、参考資料をプロジェクトに追加できると説明しています。追加した内容をもとに、ChatGPTがより踏み込んだ回答をしやすくなる、という位置づけです。
- プロジェクトを開き、ソースの欄からファイルをアップロードするか、テキストを貼り付ける
- 追加したファイルは、プロジェクトのソース一覧から開いて、プレビュー・ダウンロード・削除ができる
- 同じ名前のファイルを入れようとしたら、「Upload anyway」で追加するか、「Skip」で見送るかを選ぶ
複数のファイルをまとめてアップロードしている途中でスキップを選んだ場合、見送られるのは名前が重なったファイルだけで、残りのアップロードは続きます。共有プロジェクトでファイルを削除すると、全員のプロジェクトから消えます(あとで追加し直すことはできます)。共有中に資料を消すときは、この影響範囲を先にメンバーへ伝えておくと混乱が起きません。
置けるファイル数はプランによって異なります。OpenAI Help Centerの「Plans and limits」は、プロジェクトの作成数に上限はなく、ファイルのアップロードの上限はサブスクリプションの種別で変わること、同時にアップロードできるのは10ファイルまでであることを記載しています(2026年10月18日確認、OpenAI Help Center「Projects in ChatGPT」Plans and limits)。
| プラン | 1プロジェクトあたりのファイル数 |
|---|---|
| Free | 5ファイル |
| Go、Plus | 25ファイル |
| Edu、Pro、Business、Enterprise | 40ファイル |
上限に達したときの対処も同じページに書かれています。古いファイルや不要になったファイルを削除する、複数のファイルのデータを1つにまとめる、作業を複数のプロジェクトに分ける、の3つです。プランを上げる前に、まず資料の整理と分割で収まるかを確かめる順序が取れます。仮の例として、同じ内容の議事録を何回分もそのまま入れるより、決定事項だけを1つの文書にまとめてから入れるほうが、上限の消費も抑えられ、参照元も絞れます。
費用面では、同ヘルプのFAQが、プロジェクトへのアクセスは対象となるChatGPTのプランに含まれていて、モデルやツールのクレジットや利用料金は通常のチャットと同じように適用されると説明しています。判断材料になるのは、追加の課金項目ではなく、プランごとのファイル数と使えるツールの範囲です。プランの中身を横並びで比べたい場合は、ChatGPT料金プランの比較記事を参照してください。文書づくりそのものを任せたい場合は、文章作成・メール作成の進め方を扱った記事が参考になります。
プロジェクト指示の書き方とカスタム指示との優先関係
プロジェクト指示とは、そのプロジェクトの中だけに適用される指示文で、OpenAI Help Centerによりグローバルのカスタム指示より優先されると説明されている設定項目です。
設定場所は決まっています。プロジェクトの「•••」メニューから「Project settings」を選び、指示を追加します。OpenAI Help Centerは、プロジェクト指示がそのプロジェクトの中でだけ適用され、グローバルなカスタム指示より優先されると説明しています。例文として、マーケティングのメンターのように振る舞う、簡潔にする、箇条書きを使う、確認のための質問をする、という4点をまとめた指示が示されています。役割・分量・形式・確認の取り方が、短い指示にまとまっている形です。
比較対象のカスタム指示は、別のヘルプ記事で扱われています。カスタム指示は変更がすべてのチャットに即時に適用され、すべてのプランで、Web・デスクトップ・iOS・Androidから使えます。WebとデスクトップではSettingsの「Personalization」を開き、カスタマイズを有効にしてからCustom Instructionsの欄に入力します。保存できる文字数は、FreeとGoが1,500文字まで、Plus・Pro・Enterprise・Business・Educationが5,000文字までです(OpenAI Help Center「ChatGPT Custom Instructions」2026年10月18日確認)。この記事で確認した「Projects in ChatGPT」のページの範囲では、プロジェクト指示の文字数の上限は記載が見つかりませんでした。
指示をどこに書くかは、効かせたい範囲で決めます。次の表は、置き場ごとの効く範囲と向く内容を、公式ドキュメントの記述にもとづいて編集部が整理したものです。
| 置き場 | 効く範囲 | 向く内容 |
|---|---|---|
| カスタム指示(Personalization) | すべてのチャット | 話し方や回答の長さなど、テーマを問わない好み |
| プロジェクト指示 | そのプロジェクトのチャット | テーマ固有の役割・読み手・出力形式・表記ルール |
| プロジェクトのソース | そのプロジェクトのチャット | 何度も参照させる資料 |
| チャットへの直接の添付 | その1つのチャット | その依頼だけで使う資料 |
| 保存した回答 | そのプロジェクトのチャット | 要約・決定メモ・草案など、次回も使い回したい成果物 |
仮の例として、社内向けのFAQ原稿を作り続けるプロジェクトなら、次のような指示が書けます。「読み手は入社1年目の社員です。専門用語は初出で短い言い換えを添えてください。結論を先に書いてください。社外に出せない情報が含まれると判断したら、書く前に指摘してください。」読み手・書き方・形式・止めてほしい条件が入っていると、回答のばらつきが小さくなります。指示文そのものの組み立て方は、プロンプトの書き方のコツをまとめた記事で掘り下げています。
既存のチャットをプロジェクトへ移動する手順と例外
チャットの移動とは、プロジェクトの外で始めた会話をあとからプロジェクトへ入れ、そのプロジェクトの指示とファイルの文脈を引き継がせる操作です。
OpenAI Help Centerの「Move an existing chat into your project」は、すでに使ったチャットを移す方法を、次の2通りで示しています。
- チャットをサイドバーのプロジェクトへドラッグする
- チャットのメニューを開き、「Move to project」を選ぶ
ピン留めしたチャットも、「Move to project」が表示される状態であれば移動できます。移動したチャットは、プロジェクトの指示とファイルの文脈を引き継ぎます。つまり、移す前と後で回答の前提が変わり得るということです。あとでプロジェクトから外したいときは、「Remove from project」が表示されていれば、チャットの「•••」メニューから選んで通常のチャット履歴へ戻せます。
移動できない場合があります。GPTで作成したチャットはプロジェクトへ移動できず、「Move to project」が出ないチャットは対象外の可能性があるため、プロジェクトの中で新しいチャットを始めるよう案内されています。一時チャット(Temporary Chat)も、一時チャットの状態のままではプロジェクトに追加できず、保存すると通常のチャットに変わり、アカウントのパーソナライズとモデル改善の設定に従う扱いになります。
移すかどうかは、テーマが一致しているかで判断します。仮の例として、単発で始めた「新サービスの名称案を出す」チャットが長く続き、資料も増えてきた段階で、命名ルールを書いたプロジェクトへ移すと、以降のやり取りにプロジェクト指示が効くようになります。逆に、前提のそろっていない雑多な相談チャットをまとめて入れると、参照先が散らかって焦点がぼやけます。共有プロジェクトでは、プロジェクトのメモリ設定とワークスペースの制限によって、移せるチャットが限られる場合があります。
アプリのリンクや保存した回答をソースに加える方法
ソースの追加とは、ファイルのアップロードに加えて、対応アプリのリンクやChatGPTの回答そのものをプロジェクトの参照資料として登録し、作業で使っている最新の文脈に近づける操作です。
OpenAI Help Centerの「Add links from apps」は、対応するリンクとしてGoogle Drive(ファイルとフォルダ)とSlack(チャンネル)を挙げています。手順は次のとおりです。
- 非公開のプロジェクトを開く
- ソースの欄で「Add source」(またはそれに相当する項目)を選ぶ
- SlackチャンネルまたはGoogle Driveのファイル・フォルダのリンクを貼り付ける
- 求められたら、アプリを接続してアクセスを承認する
制約も同じページに書かれています。Google Driveのアプリは、プロジェクトの中で追加した場合に同期へ対応していません。検索やアクセスには使えるものの、取得に備えてコンテンツが事前に同期されるわけではない、という説明です。常に最新版を読ませたい前提で設計すると想定と合わなくなるため、重要な資料はファイルとしても入れておく判断が現実的です。
チャットの回答自体をソースにする方法もあります。「Save a chat response to your project」(OpenAI Help Center「Projects in ChatGPT」2026年10月18日確認)によれば、残しておきたい要約・決定メモ・草案・分析結果があるときに、回答のメッセージメニューから「Save to project」または「Add to project sources」(表示名は変わる場合があります)を選ぶと、プロジェクトのソースとして保存でき、のちのプロジェクトのチャットで再利用できます。
プロジェクトのチャットでは、接続済みのアプリも使えます。ツールメニューの「+」からアプリを選ぶか、アプリ名で呼び出す形で、プロジェクトの外を検索してよいかChatGPT側から確認を求められる場合があります。プロジェクト内でアプリが使えるプランは、同ヘルプのFAQ(OpenAI Help Center「Projects in ChatGPT」Projects FAQ)によると、Free、Go、Plus、Pro、Business、Teachers、Enterprise、Eduです。
プロジェクトのメモリ設定|デフォルトメモリとプロジェクト専用メモリの違い
プロジェクトのメモリ設定とは、そのプロジェクトのチャットが、保存済みメモリやプロジェクト外の会話をどこまで参照するかを決める切り替え項目で、デフォルトメモリとプロジェクト専用メモリの2種類があります。
OpenAI Help Centerの「Memory in projects」は、プロジェクトがデフォルトメモリかプロジェクト専用メモリのどちらかを使えること、作成時に選べて、あとからプロジェクト設定で変更できることを説明しています。違いは次の表のとおりです。デフォルトメモリでの「プロジェクト外の会話」の扱いは、プランで分かれます。
| 比較する点 | デフォルトメモリ | プロジェクト専用メモリ |
|---|---|---|
| 保存済みメモリの参照 | 参照される | プロジェクトのチャットでは参照されない |
| 同じプロジェクト内の他のチャット | 参照できる | 参照できる |
| プロジェクト外の会話を参照できるか | EnterpriseとEduは参照できない。Businessを含む他のプランは、別のプロジェクトが専用メモリでない限り参照できる | 参照できない |
| プロジェクト外のチャットからこのプロジェクトの会話が参照されるか | EnterpriseとEduは参照されない。他のプランは参照され得る | 参照されない |
| 共有プロジェクトでの扱い | 選べない | 共有すると自動で適用される |
切り替えの手順は次のとおりです。
- プロジェクトを開く
- 「•••」メニューから「Project settings」を選ぶ
- 「Memory」でデフォルトメモリかプロジェクト専用メモリを選ぶ
- 「Save」を選ぶ
変更が反映されるまで数時間かかる場合があります。切り替えた直後に挙動が変わらなくても、設定を往復させる必要はありません。プロジェクト専用メモリへ切り替えると、そのプロジェクトの情報は、プロジェクト外で使われるメモリから取り除かれます。プロジェクトの中のチャットとファイルはその場に残り、引き続き文脈として使われます。また、プロジェクト専用メモリのプロジェクトでは、同ヘルプはChatGPT Workが使えないと記載しています。ChatGPT Workは、OpenAIのドキュメントで、プロジェクトの中でChatと並んで使える形として説明されているため、Workを使う予定のプロジェクトは、メモリ設定を先に確かめておく価値があります。
前提となる設定要件もあります。「Enable memory」と表示される場合はオンにします。メモリの設定が分かれているアカウントでは、Enterpriseは個人設定の「Reference saved memories」を有効にし、ワークスペース設定でメモリが有効になっている必要があります。その他のプランは、個人設定で「Reference saved memories」と「Reference chat history」の両方を有効にします。メモリの選択肢が見当たらないときは、まずこの前提を確認する順序になります。
プロジェクトを共有して複数人で使う方法と権限
プロジェクトの共有とは、チャット・ファイル・指示を含むプロジェクトそのものを他の人に開き、同じ文脈の上で作業を進められるようにする機能で、閲覧や操作の範囲はチャット権限と編集権限で分かれます。
OpenAI Help Centerによると、プロジェクトの共有は、Free・Go・Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduで、Webとモバイルアプリから使えます(OpenAI Help Center「Projects in ChatGPT」Share a project)。共有はプロジェクトの「Share」から行い、プランやワークスペース設定に応じて、個人の招待、グループの招待、リンクの共有が選べます。
- 編集権限:指示の更新、ファイルのアップロードや削除、他のメンバーの招待ができます。既存メンバーの削除はできません
- チャット権限:プロジェクトのチャット・ファイル・指示を見て操作できます。他のメンバーの招待はできません
- オーナー:チャットの作成、指示の更新、ファイルの追加、メンバーの招待と削除、権限の設定、プロジェクト名の変更、プロジェクトの削除ができます
リンクで共有する場合、オーナーは「Only those invited」か「Anyone with a link」を選べます。「Anyone with a link」にすると、リンクを持つログイン済みのChatGPTユーザーが参加でき、設定はオーナーだけが決められ、いつでも招待制に戻せます。共同作業の上限は、オーナーのプランで決まります(2026年10月18日確認、OpenAI Help Center「Projects in ChatGPT」Collaboration limits)。
| オーナーのプラン | ファイル数 | 共同作業者の上限 |
|---|---|---|
| Pro | 最大40ファイル | 100人 |
| Plus、Go | 最大25ファイル | 10人 |
| Free | 最大5ファイル | 5人 |
| Business、Enterprise、Edu | 最大40ファイル | 招待の方法にかかわらず100人 |
共有すると、そのプロジェクトは自動でプロジェクト専用メモリになり、メンバー個人のメモリやプロジェクト外の文脈にはアクセスしません。プロジェクト内のチャットは、同時に共同編集するのではなく、分岐(Branch)して別の方向を試す形で使います。分岐したチャットは元のチャットと並んで表示されます。共有プロジェクトから退出するときは、自分のチャットのコピーを作る選択肢が出て、コピーは元のプロジェクト名の先頭に「Copy」が付いた新しいプロジェクトに入ります。
共有できる範囲の違いにも注意が必要です。プロジェクトの中の1つのチャットだけを共有するリンクは、受け取った人にそのチャットだけを見せ、プロジェクトの他のチャット・ファイル・指示は見せません。共有プロジェクトの中のチャットを単独リンクで共有した場合、受け取った人はプロジェクトに参加するまでそのチャットを開けません。チームで運用に落とし込む発想は、仕事でChatGPTを活用する手順の記事と組み合わせると具体化しやすくなります。
ProjectsとGPTs(カスタムGPT)の違いと選び方
ProjectsとGPTsの違いとは、プロジェクトが文脈を蓄積しながら作業を続けるワークスペースであるのに対し、GPTsが専門の知識や手順を固定して再利用するための、ChatGPTのカスタム版であるという役割の差です。
OpenAI Help Centerは、共有プロジェクトとGPTsを並べて比べています。GPTsは、データソースやツールに接続したChatGPTのカスタム版で、基本は自分とChatGPTの1人での利用、専門家が整えた静的な内容をワークスペースのGPTストアで見つけて使う形だと説明されています。対して共有プロジェクトは、チームが文脈を共有して作業を整理する場で、メンバーが互いの貢献を見られ、ファイル・チャット・指示が時間とともに育っていく場だと説明されています。
| 比較する点 | Projects(プロジェクト) | GPTs(カスタムGPT) |
|---|---|---|
| 主な目的 | ひとつのテーマの作業を継続する | 再利用できる知識・手順を固定して使う |
| 中身の変化 | チャット・ファイル・指示が増えて育つ | 静的な内容として整える |
| 使い方 | 共有すれば複数人で貢献し合える | 基本は1人で使う |
| チャットの移動 | 既存のチャットをプロジェクトへ移動できる | GPTで作成したチャットはプロジェクトへ移動できない |
選び方に関わる前提として、GPTsの提供状況が変わっています。OpenAI Help Center「Creating and editing GPTs」は、新しいGPTの作成と公開が、Free・Go・Plus・Proを含む個人のChatGPTアカウントでは利用できないと記載しています。既存のGPTは引き続き使え、プランと権限の条件を満たせば編集もできます。Business・Enterprise・Eduのワークスペースでは、設定と権限が許す場合に作成・編集・公開ができます(OpenAI Help Center「Creating and editing GPTs」2026年10月18日確認)。
同じページの冒頭には、カスタムGPTの廃止を計画していて、既存のワークフローはPluginsへ移すことを推奨するという案内があります。影響を受けるEnterpriseワークスペースでは、廃止が2026年12月11日に予定され、それまで既存のGPTは使えるとされています。移行の仕組みは2026年9月17日を目標に提供され、すべてのアカウントやワークスペースで同時に使えるとは限らないとも書かれています。他のプランも同じスケジュールになる見込みとされ、案内が出たらアカウントやワークスペースの通知を確認するよう求めています。これから新しく型を作るなら、まず自分のアカウントに表示される案内を確認してください。GPTsの設定項目そのものは、カスタムGPT(GPTs)の作り方の記事にまとめています。
両者は排他ではありません。プロジェクトの中でカスタムGPTを使うこと自体はでき、既存のプロジェクトのチャットの途中であれば呼び出せます。ただし、最初のメッセージでカスタムGPTを使うと、その会話はそのGPTとのチャットとして始まり、プロジェクトの外に表示されます。
仮の例|週次リサーチのプロジェクトを組み立てる
プロジェクト設計とは、テーマの範囲・入れる資料・指示文・チャットの分け方・メモリの選び方をあらかじめ決め、同じ手順で繰り返し回せる状態にする準備作業です。
ここまでの要素を、ひとつの仮の例として組み立てます。題材は「自社サービスに関する週次の情報整理」です。実在の企業や実績ではなく、手順を示すための仮の例として読んでください。
- 名前と色:プロジェクト名は「週次リサーチ(自社サービス)」とし、社内資料用の色にそろえる
- ソースを絞る:サービス概要の説明資料、用語と表記のルール集、前回までの整理結果を1つにまとめた文書の3種類に限る。会議の文字起こしをそのまま入れず、決定事項だけを抜き出した文書に置き換える
- 指示を書く:役割・出力形式・表記・不明なときの扱いを固定する
- チャットを分ける:「今週の情報整理」「用語と表記の相談」「外部向け文章の草案」のように、用途の違うやり取りを混ぜない
- メモリを選ぶ:他のプロジェクトの文脈を混ぜたくないので、プロジェクト専用メモリにする
手順3の指示文は、たとえば次のように書きます。「あなたは社内向けの調査担当です。出力は見出しと箇条書きで構成し、冒頭に短い要約を置いてください。アップロードした用語ルール集の表記に合わせてください。参照元が不明な情報は、推測せず不明と書いてください。」役割・形式・表記・不明時の扱いの4点が固定されます。
完成した状態を言葉にすると、サイドバーでそのプロジェクトを開くと、資料と複数のチャットが並び、どのチャットで質問しても同じ表記ルールで返ってくる、という形です。翌週は「今週の情報整理」の続きから始め、前週の結論をさかのぼって読ませます。新しい担当者が入る場合は、編集権限で招待して、ファイルと指示を先に読んでもらいます。ただし、プロジェクト専用メモリを選ぶと、そのプロジェクトではChatGPT Workが使えない点だけは、設計の段階で確かめておきます。回答に使うモデルを状況で切り替えたい場合は、モデルの違いと使い分けを整理した記事もあわせて確認してください。
プロジェクトを削除するとどうなるか|データの扱い
プロジェクトの削除とは、プロジェクトのチャットと指示、およびそのプロジェクトにだけ保存されたファイルをまとめて消す操作で、OpenAI Help Centerは元に戻せないと明記しています。
- プロジェクトの「•••」メニューを開く
- 「Delete project」を選ぶ
削除すると、プロジェクトのチャットと指示、そしてプロジェクトにだけ保存されていたファイルが完全に取り除かれます。Libraryに別に保存してあるファイルは削除されません。共有されている場合も同じで、メンバーはプロジェクトにアクセスできなくなります。残したい成果物は、削除の前にソース一覧からダウンロードしておく順序になります。
データの保持については、プロジェクトのメッセージは、ワークスペースに設定された保持期間とデータレジデンシーの地域を引き継ぐとされています。削除されたプロジェクトとそのチャット、プロジェクトにだけ保存されたファイル、カスタム指示は、法的またはセキュリティ上の理由で保持が必要な場合を除き、30日以内にOpenAIのシステムから削除されると書かれています(OpenAI Help Center「Projects in ChatGPT」Data retention and residency)。
学習への利用は、アカウントの種類で扱いが変わります。個人のChatGPTアカウントでは、共有プロジェクトのデータをモデルの改善に使うのは、オーナーとすべての投稿者が「Improve the model for everyone」をオンにしているときだけとされています。Business・Enterprise・Eduなどのワークスペースの内容は、デフォルトでは学習に使われません。
最後に、つまずきやすい点を整理します。いずれも公式ヘルプに記述があり、知らないと設定を疑ってしまう箇所です。
- メモリ設定を変えても、反映まで数時間かかる場合がある
- プロジェクトのメモリを一括でプロジェクト専用にする設定はなく、プロジェクトごとに設定する
- プロジェクトのメモリは、個人メモリのような一覧としては表示されない。特定のチャットの参照を止めたいときは、そのチャットを削除するか、設定が許す場合に別のプロジェクトへ移す
- スタディモードと予定された学習時間は、プロジェクトの会話には適用されない
ツールの使える範囲も確認しておく価値があります。プロジェクトでも、キャンバス、画像生成、音声、ウェブ検索といった通常と同じツールを使え、有料プランではエージェントモードやディープリサーチなどの追加ツールが含まれる場合があります。ワークスペースで無効にされている機能は、プロジェクトの中でも無効です。プロジェクトのチャットのレート制限は、サブスクリプションの水準に基づきます。
よくある質問(FAQ)
- Q1. 無料プランでもプロジェクト機能は使えますか
- 使えます。OpenAI Help Centerの「Plans and limits」には、Freeプランの1プロジェクトあたりのファイル数が示されており、共有もFreeを含むプランで利用できます。ただし、置けるファイル数や共同作業者の数はプランで差があります。
- Q2. プロジェクトはいくつまで作れますか
- 作成できる数に上限はなく、制限がかかるのはファイルのアップロード側です。テーマごとに分けて作る運用は、ファイル数の上限への対策にもなります。
- Q3. プロジェクト指示と、設定画面のカスタム指示はどちらが効きますか
- プロジェクトの中では、プロジェクト指示がグローバルなカスタム指示より優先されます。テーマを問わない好みは設定のカスタム指示に、テーマ固有の前提はプロジェクト指示に置く使い分けです。
- Q4. カスタムGPTで始めた会話をプロジェクトに入れられますか
- GPTで作成したチャットは、プロジェクトへ移動できません。「Move to project」が出ないときは、プロジェクトの中で新しくチャットを始めます。
- Q5. 共有したプロジェクトでは、相手に自分の他の会話まで見えますか
- 見えません。共有プロジェクトは自動でプロジェクト専用メモリになり、メンバーのプロジェクト外の会話やメモリにはアクセスしません。見えるのは、プロジェクトのチャット・ファイル・メンバー一覧です。
- Q6. 一時チャットをプロジェクトに入れられますか
- 一時チャットの状態のままでは追加できません。保存すると通常のチャットになり、その後はアカウントのパーソナライズとモデル改善の設定に従います。
- Q7. 削除したプロジェクトは元に戻せますか
- 元に戻せません。必要な成果物は、削除の前にソース一覧からダウンロードしてください。Libraryに別に保存したファイルは削除の対象外です。
- Q8. ファイルの上限に達したらプランを上げるしかありませんか
- 先に、古いファイルの削除、ファイルのデータの統合、作業のプロジェクト分割のどれで収まるかを確かめられます。
まとめ
ChatGPTのプロジェクトは、チャット・ファイル・指示を1か所にまとめ、同じ前提のまま作業を続けるための仕組みです。作成はサイドバーの「New project」から始まり、名前とアイコンを決め、参考ファイルを入れ、プロジェクト指示を書き、関係するチャットを移す、という流れで運用に入れます。
判断に使う材料は、プランごとのファイル数、プロジェクト指示とカスタム指示の優先関係、チャット移動の例外、メモリの選び方、共有時の権限と共同作業の上限です。メモリはデフォルトとプロジェクト専用から選べ、共有すると専用になります。GPTsとは役割が異なり、個人アカウントでは新規作成ができなくなっているため、これから型を作る場面ではプロジェクト側に寄せる選択が取りやすい状況です。
最初の一歩としては、いま抱えている継続作業をひとつ選び、資料を絞ってプロジェクトを作るところから試すのが現実的です。上限や設定の細部は公式ヘルプの記載が更新されることがあるため、運用に組み込む前に、最新の記載を確認してください。
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